インドのリアル

学生だったころ、
社会科や世界史の授業で
インドについて習ったことがある。

インドの風習・宗教・カースト。
2、3ページくらいの薄っぺらい紙の上で知ったインド。

いま、オレはインドにいる。
紙の上で知ったインドは、
たしかにインドだったが
インドでは、なかった。

知っているけど、わかっていないインドが
いま目の前に広がっている。

インドでは、神聖なはずの牛が
インド人に邪魔がられ、ごみを食べ
路地に横たわっている。

カーストは、ほとんどなくなったと
どこかで聞いたが、
いまもなお、至る所でカーストを目にする。

聖なる河ガンジスが、
実は、道頓堀を凌ぐほどのドブ河なこと。

オレたちは、友達だから、お金はもちろん
チップだっていらないと言う
とても親切なインド人。

一方、目をギラギラさせて、
日本人から、どれだけ多くの金をむしり取ろうか
頭を働かせている、インド人。

そして、そんなことを一瞬で忘れさせてくれる
子供たちのキラキラした無邪気な笑顔。

すべて、インドのリアル。

腐った日本の学校教育では、
わからないインド。

あの薄っぺらい紙の上では、
知ることはできても、わかることはできない
リアルなインドが目の前にある。

一杯のチャイを飲みながら、
ガンガー(ガンジス河)を眺めていると

「お兄さん、いい葉っぱたくさんあるよ。
 コカインも安いよ。
 あそこ、ソープね。
 見るだけタダ。
 オレについて来いよ。」

今日もいつものように
インド人が話しかけてきた。

もう、当たり前になってしまった
インド人を追い払うこの景色も
1つのリアルなインド。

そんなことを考えながら
ガンガーを後にした。